循環型エネルギー設備見学会の報告

循環型エネルギー設備見学会の報告
奥田 倫子

平成27年(2015年)9月24日、エネルギー部会は、循環型エネルギーを学習するため、神戸市建設局東水環境センターの東灘処理場に行きました。
バイオガスを自動車燃料や都市ガスとして使用し、CO2を削減しています。

約1時間スライドを見ながら、下水処理過程で発生するガスを精製して天然ガス燃料にする取組について伺いました。
その後の施設の見学では、まず、汚水の最初沈殿池へ行き、下水独特の臭いを感じましたが、空気を吹き込むことで微生物の働きを活性化し、汚水を分解していったのちの、最終沈殿池では臭いはほとんどなくなっていました。
6種類もの主役の微生物の働きには驚きました。

この段階での水は次亜塩素酸ソーダで処理され、一部は施設内の散水やトイレの排水に利用されています。
沈殿池の底に残った汚泥は卵型の1基1万立方メートルのタンク3基に入れられ40℃で30日間中温消化、撹拌され、最終精製されたガスはメタン98%となり市バスや宅配車へ供給されています。

当日は、バイオガスステーションで、トラックへのガス注入を間近で見る事ができました。
バイオガスは現在、都市ガス導管へ送り、家庭や工場にも供給されています。2020年までには一般家庭3000世帯が1年に使用する量を精製することを目標にしています。

処理中にできる脱水ケーキは焼却し、埋め立て処分にしますが、その過程でできるΜΑΡ(リン酸マグネシウムアンモニウム)からリンを取り出し、肥料にしています。このリンが商売になれば経費も出てきて、こうべバイオマスを大きく発展させることが出来ると期待されています。

まさにエネルギーの地産地消として、水とともに下水道もエネルギー源となる事を実感した1日でした。

 ※神戸市は人口約154万人で下水道普及率は98.7%、東灘処理場では38万人分の汚水処理を行っている。

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