地域熱・供給プラント見学会の報告

地域熱・供給プラント見学会の報告
岩元 喜代子

エネルギー部会は、平成27年(2015年)7月7日再生可能エネルギーの学習のため、大阪市中之島の関西電力ビルディング地下5階に設置されている、地域熱・供給プラントを見学しました。

 地域熱・供給システム(地域冷暖房方式)とは、複数のビルで使用する空調用などの冷水・温水を地域熱・供給プラントで集中的に製造し、地域導管を通じて各ビルの顧客へエネルギーを供給するシステムのことです。
 その特徴として、熱源は河川水のもつ熱(未利用エネルギー)であり、大気と河川水の温度差エネルギー(注釈)を、ヒートポンプを使って冷暖房に利用するシステムを全面的に採用していることがあげられます。100%河川水に依存する形態としては、全国初の導入事例となります。

本設備が、熱源・冷却水に利用している河川は、堂島川と土佐堀川の2河川です。
堂島川から取水した河川水をヒートポンプの熱源として使用し、土佐堀川に排水するシステムとなっており、地形を活用し、大気と河川水の温度差エネルギーを活用しています。一度排水した河川水を再度取水することはありません。
排水した熱の一部が、取水される河川水に干渉されるのを防止するため、2河川を活用したシステムとなっています。
 機器は、高効率熱回収型ヒートポンプを採用、電力負荷平準化を図るため大規模氷蓄熱システムを採用、また、変電所の排熱利用等が採用されています。
 
河川水熱交換器・スクリューヒートポンプ・氷蓄熱槽等が、あまりにも大きいことに、とても驚きました。

プラントからの熱供給は、同関電ビルを始め、ダイビル等にエリアが拡大しているということでした。
 環境保全においては、全国トップクラスの省エネルギーを誇り、このシステムによる省エネルギー率は約14%と想定されています。
 自然エネルギーを利用したエネルギー消費効率の高いヒートポンプチラー・ターボ冷凍機を活用した最適な冷水、温度供給システムを構築しています。環境負荷や変動に応じた最適な運用により省エネ、省コスト、省CO2を実現しています。
排熱を大気中に放出しないため、ヒートアイランド対策としても有効であることがわかりました。
                                   
注釈 温度差エネルギー
 河川の水温は、夏も冬もあまり変化がなく、外気との温度差がある。これを「温度差エネルギー」といい、夏場は大気に比較して河川水の水温が低く、冬場は大気に比較して河川水の水温が高い。この河川水の持つ熱を、ヒートポンプを使って、冷暖房などに利用できる。
 安定した熱需要のある都市部などは、温度差エネルギーを利用して冷暖房など地域熱供給が行われ、全国的に広まりつつある。

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